滝の千年ツバキ 1,000 Year Old Camellia of Taki
今回の保全保護工事は、平成七年の春、ツバキ主幹部、根本付近に、地際から幅約二㎝・長さ約八〇㎝の縦型クラック(亀裂)が生じているのが発見されたため、樹木医の診断に基づき損傷の拡大を防止する工事として実施しました。
具体的な工法ととしましては、クラックの生じている主幹部の荷重をできるだけ軽減するための支柱工法、ブレーシング工法としてクラック部への薬剤散布、パテ埋めによる治療工事で、特に支柱工事では、東西南北の枝張りに合わせ、その地下部に巨樹を支える根が縦横無尽に張り巡っているため、その根を傷付けないように細心の注意をはらい平成八年三月に完了しました。
今回の保全保護工事では、できる限り周囲の景観に配慮いたしましたが、従来の景観と若干の差異が生じたことにご不満をもたれる方も少なくないと思われます。しかし、この『滝の千年ツバキ』は、世界に一本しかない貴重なツバキの巨樹であり、二度と人工的に作られるものではありません。
今回の工法は、千年ツバキを守り続けていくための最良の方法であり、椿愛好家の皆さんの温かいご理解をお願いするところです。
今後とも、この『滝の千年ツバキ』を末ながく見守っていただきたいとともに、さらに皆さんに親しんでいただきますようご協力をよろしくお願いいたします。
平成八年三月 加悦町
滝区椿保存会